2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧
カーテンの隙間から朝日が伸びて、私の眉間を刺す。私は身体に鞭を打って明日には明日の風が吹く、そんな誰かの言葉に上手く乗せられて私は今日も、蠢く教室に向かった。 でも、今日には昨日の風が吹いた。そう、私にとっては今日も明日も何一つ変わりは無い…
蝉時雨がアスファルトにまだ少し残りながらも、陽が傾きこの小さな町を茜色に照らしだした頃、僕はとっさんとカンタとたいちゃんと いつものように、この町唯一の市民プールの帰り道に入り組んだ住宅街を家路へと向かってペダルを回した。その住宅街からは、…
時々、夜が怖くなる時がある。でも、昼間はもっと怖い。人の目が気になるようになったのは、思春期という漠然でありながら脆弱な時期と何かが衝突した瞬間からだ。 私は、夜が怖けれど部屋にいるともっと怖い。憎悪や嫌悪だけで出来上がった人間もどきのもう…