生きることは表裏一体

小説の賞を受賞したりなどもしたのでその日、その日で文章を書きます。僕の思った通りじゃなくて読んで下さる方、各々の捉え方で読んでもらいたいです。

右折だらけ

 倦怠感に包まれた明日が、もうこちらを覗いている。誰かが、こんな時に側に居てくれたらどれだけ僕の心は落ち着くのだろう。そんな事を思っているといつも君から着信がくる。僕は、君からの着信を本当は無視しなければならない。でも、そういった時に限って心身が離脱してしまって感情と理性の天秤が揺れたまま止まることは無い。僕は君の元へ急ぐ。黄色の点滅信号を青信号と何ら変わらなく潜って車を走らせる。本当は君には僕じゃない大切な人が居ることも何となくは気づいていた。携帯の向う側の君の声が何処か心細く聞こえたように感じた。

それが、演技だってなんだって君に会う口実になるならそれでも、良かった。だから僕は君の元へ駆けつけた。その時から歯車は徐々に狂い始めていて、

僕の言葉すらちゃんと伝えることができない。

僕は、君に真っ直ぐ生きてもらいたい。ただ、それだけを必死に伝えたつもりでも、僕と君の間には人の価値観や捉え方といったフィルターが邪魔をして

どんどん僕の心とは裏腹に違う言葉や感情に変換されて、君に届いてしまうから届かない。

人は、そんなに簡単には変わらない。

言葉は、伝えなければならない時こそ伝わらない。

結局、人は自分自身すら理解することは難しいのかもしれない。